ヨルダン川で7回体を洗いツァーラアトを完治させたナアマン、嘘を吐き土産を懐に入れたゲハジ

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≈紀元前861年
ナアマンが、馬と戦車を従えてエリシャの自宅の玄関に立つ。エリシャは、使いの者を遣わせ「ヨルダン川へ行って、体を7回洗いなさい。そうすればツァーラアトは跡形も無くなり、完治します」と助言をした。此れを聞いたナアマンは立腹し、不機嫌そうに「何という事だ。預言者が直々に出て来て挨拶し、患部に手を当て、彼の神の名を読んでツァーラアトを治してくれると思ったのに川で洗えだと?それならバラダ川(現在のシリアのダマスカス県・ダマスカス郊外県)やパルパル川の方がよっぽど綺麗じゃないか。どうしても川で洗わなければならないというのなら、故郷の川でやった方がまだましだ」と言って憤慨して去っていった。其の際ナアマンの部下が「もしあの預言者に何か難しいことをせよと言われたら、そう為さるお積もりだったのでしょう。それなら、体を洗って清くなれと言われただけの事ですから、其の通りに為さってみては如何ですか」と説き伏せた。ナアマンは、部下の説得を受け入れ、ヨルダン川へ行き、7回水に身を浸した。すると、ナアマンの皮膚は幼子の様に艶々とし、ツァーラアトが完治した。ナアマン達はエリシャの下を訪れ、恭しくエリシャの前に立ち「イスラエル王国の他に、世界の何処にも神は居られない事が分かりました、どうぞ此の贈り物をお受け取り下さい」と感謝の意を表した。エリシャは「ヤハウェに懸けて、其の様な物を頂く訳には参りません」と断った。ナアマンは頻りに勧めたが、エリシャは受け取ろうとしなかった。其処でナアマンは「では、此れだけはお聞き届け願えないでしょうか。2頭の騾馬に載せられるだけの土を分けて下さい。国に持ち帰りたいのです。此れからはもうヤハウェの他には、どの神にも生贄を捧げたくはありません。但し1つだけお許し頂きたい事がございます。ベネハダデ2世がリモンの神殿に参拝する際、私の腕に寄り掛かります。其の時私も一緒に身を屈めますが、其の事をヤハウェがお許し下さいます様に」と言った。エリシャは「宜しい。安心してお帰りなさい」と許可した。エリシャの従者ゲハジは「エリシャ様のお人好しも困ったものだ。贈り物を1つも受け取らずにナアマンを帰してしまうのだから。よし、ナアマンの後を追い掛け、何か頂いて来よう」と走ってナアマンの後を追った。ナアマンは、ゲハジが向かって来る事に気付くと、戦車から降り、走り寄って迎え「何か有ったのですか」と問い掛けた。エリシャは「はい。エリシャがお伝えしたい事が有ると、私を遣わせたのです。たった今、若い預言者が2人、エフライム族の領地の山地から来まして、彼らに何か土産をと思ったものですから。宜しければ銀34kgと着物2着を分けて頂けませんか」という主旨の主張を行った。ナアマンは「宜しいですとも。何なら銀68kgをお持ち下さい」と強く勧め、銀68kgと着物2着を自身の2名の家来に持たせてゲハジと同伴させた。エリシャの自宅の在る丘に到着すると、ゲハジは銀の袋と着物を受け取り、2名を帰した。そして其れ等を隠して何食わぬ顔でエリシャの前に出た。エリシャは「ゲハジ、何処へ行っていたのか」とゲハジに尋ねた。ゲハジは「何処にも参りません」と答えた。エリシャは「ナアマンが戦車から降りてお前を迎えるのを私は心の目で見ていたのだ。今は銀・着物・オリーブ畑・葡萄畑・羊・牛・男女の奴隷を受け取る時だろうか。そんな事をしたからには、ナアマンのツァーラアトはいつまでもお前とお前の子孫に降り掛かる事になる」と言った。ゲハジは忽ちツァーラアトに冒され、肌が雪の様に白くなり、エリシャの部屋から出て行った。

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