■半世紀前の通信高校講座(化学:油脂とセッケン)

11 months ago
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 この単元は「油脂と油」あるいは高分子化合物というセクションで学んだかと思う。講師はお馴染みの西平輝子先生。古いテープなので画質がイマイチ良くないが、御容赦いただきたい。「なぁ~んだ、セッケンか…」と軽く考えないで、食物やダイナマイトの親戚の話、だと考えれば(多少なり)重要性が理解できると思う。そもそも論になるけれども自然界において(人間にとって)食物であることと、その物質が自然界に存在する理由とは基本的に関係が無い。単に「在るものは有る…」というだけの話で、構造的に非常に似通った物質であっても、一方は「食べられる」もう一方は「食べられない」のは何ら不思議なことではない。例として同じブドウ糖から生成される同じ高分子化合物、デンプンとセルロース(食物繊維)など好例だろう。

同様にセッケンは食べられないが、油脂は食べられる。ニトロ・グリセリンは爆薬(あるいは狭心症の薬)だが、そのグリセリン(アルコールの仲間)と直鎖型の高分子(脂肪酸)が結合(脱水縮合)したもの(エステル)が油脂(人体の脂肪)、又は油であり、その油脂のエステル結合をカリウム、又はナトリウムで加水分解するとセッケン(と、グリセリンと、水)が出来上がる。なので食用油は簡単にセッケンに変えられるし、セッケンを溶かして再度、グリセリンと反応させれば(食物)油脂や油になる。他方、そのグリセリンに硫酸と硝酸を反応させればニトロ・グリセリンとなりダイナ・マイトが出来上がる。と、いうような訳で、食物としての油がセッケンに化け、セッケンからダイナマイトを作ることもできる。

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